麝香と龍涎香。
2015年 08月 25日
麝香(じゃこう)
褐色の粉末状で、土や糞を連想させる匂い。
繁殖期の雄のジャコウジカの分泌物とのこと。
(昔は岩について固まったものをヘラなどで
ガリガリとはがして採集していたらしい……)
オスのジャコウジカの「僕はここにいるよ!」
というサインで、それを嗅いだメスが反応して、
気に入ればその匂いのオスを探す…という事で、
一種のフェロモンのようなものらしいです。
動物の世界には、スマホとかないので…(笑)
離れた場所から風に乗ってふっと漂ってくると
良い香りですが直接、嗅ぐと強過ぎて良い
香りではありません。
麝香といえば以前『大奥』のドラマを見て、
将軍の気を惹こうと正室が着物に麝香の
香りを焚き染めて、その香りを嗅いだ将軍
が「臭い!狸の匂いがする」と怒って寝所を
出ていくシーンが記憶に残っています。
龍涎香(りゅうえんこう)
別名アンバーグリス(意味:灰色の琥珀)
マッコウクジラがイカを食べて出来た腸内
結石(消化不良の硬いイカのくちばしなどで
マッコウクジラの腸内に傷が出来るらしい)
クジラが吐き出した結石が海上を漂い、
(比重が水よりも軽いので、海上に浮く)
海上を何年か漂っているうちに良い香りに
変化して、海岸に流れ着いて人間が発見
したり、クジラを解体したときに体内から
発見されたそうです。昔はクジラの結石と
いうことがわからず、龍涎香(龍のよだれ
の香り)という文字が当てられたそうです。
黒っぽい色の粉末で、イカを連想させる
香りでした(笑) ミネラルとかしょっぱい
印象もあります。ランクがあり、上等の
ものは灰色や淡い色。今回試したのは
黒色でしたが、黒っぽい物でも良い香り
でした。香炉で焚くと溶けて甘みが出ます。
余談ですが、ニュージーランドにアンバー
グリスを取り扱っている大手の会社(アン
バーグリス界のデ○アスみたいな会社
かな?)があるそうです。
麝香が陸の動物性香料とすると、龍涎香
は海の動物性香料という気がします。