ブーリン家の姉妹。
2008年 11月 03日
ナタリー・ポートマンに注目していたのですが、映画館を出る頃
にはすっかりメアリー(スカーレット・ヨハンソン)派になって
いました。以下、ネタばれあります。
「ブーリン家の姉妹」のあらすじをかんたんに書くと、地方の貴族が
富と地位を得るために王様に娘を差し出すという話で、女性の結婚や
出産が一族の繁栄に影響するというのが平安時代ぽいなと思いました。
「ブーリン家の姉妹」には美しく賢い姉のアンと控えめでやさしい
メアリーという対照的な姉妹が登場し、父親は自慢の娘、アンを王に
差し出しますが、王はアンではなくメアリーを気に入り、メアリーは
侍女として宮廷に入ることになります。やがてアンがフランス宮廷に
行っているあいだにメアリーが王の子供を懐妊し、メアリーに飽きた
王の関心はフランス宮廷からもどり、洗練された雰囲気を身につけた
アンに移ります。
実の妹を裏切り、王の寵愛を得るためにさまざまな策略をめぐらす
アンを見ていると、「大奥」の世界を連想してしまいます。アンは
大き過ぎる野心を持ってしまった為に、身を滅ぼすという役でした。
メアリーは一見、王や周囲の状況に流されているように見えますが、
運命を受け入れつつも流されずに、結果的には自分の人生を歩んで
行くという役でした。
真珠の耳飾りの少女でも感じましたが、スカヨハは中世の絵画から
出てきたような古風な衣装が似合います。映画に登場した衣装の中
では、メアリーがアンに最後に面会するシーンのドレスが一見地味
なのですが、いちばん気に入りました。
映画のラストに大どんでん返しがあるといった派手なストーリー
展開はなく、淡々と見ました。「ブーリン家の姉妹」に登場する
アン・ブーリンはエリザベス1世の生母にあたるので、イギリスの
歴史に興味のある方には良いかもしれません。