せみまる。
2005年 09月 17日
話なので舞台全体に無常感がただよっていた(気がする)
しかしなんであんな大きくなった息子(多分成人してる)を
捨てるかね~。能って謎だよ!別にニートとかの話じゃないしなー。
本題にもどろう。醍醐天皇に逢坂山に捨てられた蝉丸を
見かねた博雅(陰陽師に出てくる源博雅!)が蝉丸に
これで雨風をしのいで下さい、と粗末な家を用意する。
そうこうしてるうちに蝉丸の気狂いの姉宮が出てきて踊りまくる。
姉宮というのが、逆髪(さかがみ)といって髪の毛が逆に生えている
という奇怪な人物で、登場してきた時にもう髪がボンバーで目つきも
変なので、一見してヤバい人物だというのがすぐにわかる(笑)
衣装も王子みたいに方袖脱いでいて、かなりご乱心な感じ。
プログラムを読むと実は逆髪(さかがみ)=坂神(峠の道祖神)で、
>不特定多数の人々が行き来する峠の関所は、民俗学的には
>現実と非現実の境、一種の異界です。
気狂いの姉宮は境界にいる神様だったのか。でも神様が出てきても
蝉丸は救われない。最後に救いが無い所が山岸作品と似てると思う。
蝉丸は実在しない人物らしい。そういう不幸な皇子がいたと
思い込んでいた。
貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)という言葉がさいきん気になる。
貴種流離譚=高貴な生まれの人が流されて艱難辛苦にあう話の事。
よく知られている話だと、義経や一寸法師、ヤマトタケル(!)などが
それに該当するそうだ。しかもかれらはいずれも美少年(牛若丸)や
女装しても疑われない美しい若者(ヤマトタケルで女装して危機を
逃れた話がある)だとか書いてある(笑)舞台のプログラムはいつも
買わないのですが、偶然その話が載っていたので買ってしまった。